まさに快哉(かいさい)を叫ぶ思いだった。JKAの施策は滑ることも多いが、117期の早期卒業制度はヒットだろう。
記者が取材したのは、19日に岐阜F2でデビューした菊池岳仁(19=長野)だった。スピードスケートからの転向組で自転車経験が少ないにもかかわらず、200メートル、400メートル、1キロ、3キロの規定タイムをクリアしてゴールデンキャップを獲得。ナショナルチームで東京オリンピック(五輪)を目指している新田祐大、脇本雄太、深谷知広の競輪学校(現養成所)時代のタイムを上回ったのは驚異だ。早期卒業はゴールデンキャップ獲得が前提条件。その上で学業成績や生活態度にも秀でた生徒が選抜される。
前検日に菊池は「ラインで決まるように駆けたい」と殊勝に話していたが、とんでもない。そんな競走は期待していない。S級特昇まで、後続をぶっちぎるレースを見せてもらいたい。実際、決勝は後ろが競りになったとはいえ、6車身ちぎる圧勝だった。
ひと足先に和歌山でデビューした寺崎浩平も準決でヒヤッとした場面はあったものの、決勝は後続をちぎって完全Vを決めた。両者には9連勝と言わず、18連勝でS級まで突っ走ってもらいたい。
119期以降にも早期卒業者が出ると、競輪界も盛り上がるというもの。
さて、こんな素晴らしい施策もあると思えば…。2予A5着でも勝ち上がれる、ふぬけたG3の概定番組は何とかならないものか。