S級からA級2班の選手には「選手の級班決定に係る特別措置」が実施されている。いわゆる公傷と呼ばれるもので、競走中の落車などで長欠して、出走本数不足になっても級班を維持できる措置だ。ところが、A級3班(チャレンジ)やL級(女子)にはそのような救済措置はない。競走中の落車でも、長欠して出走本数が足りず、3期連続で競走得点が70点(ガールズは47点)に満たないと代謝対象になってしまう。男子は下から30人、女子は下から3人が強制引退となる。

そのような事態を避けるため、来期から「再チャレンジ検定制度」が導入されることになった。これは、競走中の落車などで最低出走本数が足りず、31日間以上の治療を受けた選手が対象となる(自身の失格による落車を除く)。3期連続で70点を割っても1000メートルのタイムトライアル(ガールズは500メートル)で一定の基準タイムをクリアできれば、代謝対象から外れるシステムだ。

タイム計測は日本競輪選手養成所250メートルバンクで行われる。2回測定して1回でもクリアすれば合格となる。ただ、基準タイムは男子が1分9秒以内、女子は38秒以内と、とてもハードルは高い。

かつて、新人選手がデビューした後に落車して、復帰がままならず強制引退となったことがあった。そのような悲劇を繰り返さないよう、新たな制度を歓迎したい。