始めにお断り。誤解があってはいけないので、本記事は選手と記者の“推測”で展開されているのをご理解の上、ご一読ください(笑い)。

珍しい名字をもつ選手は、意外とたくさんいる。その中で犬童千秋(38=福岡)と、ロマンあふれる空想の歴史話をした。

犬童千秋の名字「犬童」のルーツについて、想像話ながらも盛り上がった(撮影・前原一樹)
犬童千秋の名字「犬童」のルーツについて、想像話ながらも盛り上がった(撮影・前原一樹)

「犬童」という名字はかなり印象的で、何かしらの歴史がありそうに感じ、彼女に聞くと「私は戦国時代とか歴史が好きなので、(名字が気になり)ルーツを探ろうとしました。(ただ)分からなかったですけどね…」と自身も気になって由来を調べたそうだが、明確な答えは見つかっていないという。

想像の域ではあるが「私の父が熊本県人吉市出身で(そこに歴史上の人物で)犬童頼安(よりやす)さんが居ます。もしかしたら? (関係性があるん)だったらいいし、かっこいいですよね!」とロマンたっぷりの会話に花が咲かせた。実際のところ、頼安との因果関係は不明ではある。

ここで登場した頼安を軽く調べてみると、戦国時代から江戸時代初期の武将とのこと。息子には頼兄(よりもり)がおり、彼は肥後国人吉藩の重臣を務めていた。頼兄はのち相良清兵衛と言う名で、熊本県球磨郡あさぎり町の岡本諏訪神社にお墓(または供養塔とも)がある。彼女いわく「免田町には犬童という名字がたくさんあるんです」。この免田町は03年、いくつかの市町村と合併し、最終的には球磨郡あさぎり町となっている。場所は人吉市のほぼ隣。頼兄と関係性の深いエリアであることが分かる。

彼女自身も歴史好きのため、ここまでの情報は自ら調べたという。ただ、この先がどうなっているかは、全くの不明とのことだ。

一方で子孫関係は別にして、犬童という名字の人口は熊本県が圧倒的に多く、市町村別では人吉市、球磨郡あさぎり町ほかに、同名字の方が多数いるのも確かである。彼女は言う。「家紋が違うので何とも言えません…。でも、私は信じています(笑い)」と笑顔で、先の見えないルーツにわくわくしていた。もし、本当に犬童一族と彼女が関連しているのなら、それこそロマンである。

自身のルーツはどこにあるのか? について、想像する、ロマンを感じることは決して悪いことではないし、楽しいものだ。【前原一樹】