【ヤマコウ・輪界見聞録】
最近の酷暑で熱中症が話題になっている。この間まで「節電、節電!」と言っていて、今は「エアコンをつけろ」と言う。価値観というのはすぐに変わるものだ。ところで競輪の価値観とは一体何なのだろう。選手はスポーツとして競輪に取り組んでいて、ファンはギャンブルとして競輪選手を見ている。その先にいろんなドラマを感じたい。伝える側はどうだろうか。スポーツ中継として伝えたいのか、バラエティー番組として伝えたいのか、よく分からない。世の中の好みが細分化する中で、その流れを読まないと取り残される。
10Rの菅田壱道は流れに乗っている。G1、G2と連続で決勝入りし、検車場でも充実感が漂っている。今の菅田を支えているのは、「ゆるんだら行く」というスタイルを徹底している点だ。スタートの位置取りから始まって、打鍾からホームにかけて何番手にいるかは非常に重要。最後方に置かれた時点で、位置取りでは負けを意味する。菅田の走りは、それを取り戻すため開き直って仕掛けていることが結果に結びついている。
このレース、最終的に先行するのは外枠の鈴木竜士だろう。ただ、鈴木も徐々に自在型にかじを切ってきており、山本伸一の先行も十分考えなければならない。松谷秀幸は番手を回る機会が多くなり、自力の感性が鈍くなっている。今の菅田と他の対戦メンバーを比較すると、菅田が早めのまくりで白星発進を飾るだろう。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)






















