競輪、楽しんでいますか?

8月26日付の弊紙で、ガールズ118期在所NO・1の永塚祐子選手(34=神奈川)を特集した。

10年間のOL生活後に選手養成所に入ったという異色の経歴の持ち主だけに、一般的なガールズとはひと味違う話が次々と出てきて、いつも以上に興味深かった。いずれ、KEIRIN.JPの「けいりんマルシェ」で掲載されるとのことなので、ご覧いただければ幸いだ。

永塚祐子の立ち写真。レフ板の効果で上半身が光っている(撮影・丹羽敏通)
永塚祐子の立ち写真。レフ板の効果で上半身が光っている(撮影・丹羽敏通)

スペースの都合で紙面では割愛したが、実は永塚は養成所に入る前、自転車運転中に交通事故に遭っている。当時勤めていた会社への出勤途中で、いきなり横から車が出てきて、自転車の前後輪の間に車の前輪が入ってきて倒れたというから、想像するだけで恐ろしい。むち打ちがひどく、メニエール病の症状も出て、突発性難聴などにもなったという。

幸い、東海大時代に専攻したトレーナーになるための勉強が役に立ち、自転車に乗ること自体もリハビリになって、数カ月後には復調。選手養成所にも無事入所でき、今は練習、レースと元気にバンクを疾走できている。つくづく人生は紙一重と感じさせられるアクシデントだが、運を持っている人なのかもしれない。

師匠の石井毅(右)とエルボータッチを交わす永塚祐子。やはりカメラマンが撮った写真は違う(撮影・丹羽敏通)
師匠の石井毅(右)とエルボータッチを交わす永塚祐子。やはりカメラマンが撮った写真は違う(撮影・丹羽敏通)

「全力で楽しむ」という座右の銘は、こんな経験を積んでいるからこその言葉だろう。つらい練習も楽しくやればできる。楽しいと思って走ったときの方がタイムが出る。これからも何ごとも前向きに捉え「3年以内にガールズGP優勝」というビッグな夢に向かって突き進んでほしい。

永塚祐子選手の撮影風景。背中の人物が持っている物がレフ板
永塚祐子選手の撮影風景。背中の人物が持っている物がレフ板

今回は、紙面に載らなかった立ち写真、師匠・石井毅選手とのツーショット、そして撮影風景をアップした。

撮影風景で背中の人物が持っている円盤のような道具の名前が「レフ板」ということを、今回初めて知った。太陽光を反射させて、対象をより輝かせる効果があるようだ。【栗田文人】