今日は決勝シートを巡る準決3個レースがハイライトだ。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)は12Rの佐々木豪の逃げ切りに期待した。

ヤマコウの取材を受ける佐々木豪(右)
ヤマコウの取材を受ける佐々木豪(右)

小嶋敬二よ、残念。2日目も勝ち星から見放された。まるで、20年前にタイムスリップしたかのような赤板からの走り。地元でいいところを見せたいという気持ちは伝わったが、空回りに終わった。しかし、ファンが見たいのは小嶋の先行だ。今日も番手戦となったが、こうなったら1着で場内を沸かせてもらおう。

準決は12Rの佐々木豪に注目した。2予Bのレースは、苦し紛れに内に突っ込み、番手の笹倉慎也に位置を作ってもらい、なんとか息を吹き返した。しかし、勝利者インタビューでは、終始お通夜のような湿っぽい表情だった。締めの一言は「(地元勢を連れて行けずに)すいません」だった。この一言に豪クンの人間性が詰まっているような気がして、私はクスっと笑ってしまった。豪快な見た目とは裏腹に中身は繊細。腹黒さは全くない。

1予は先行して4角失速の5着。あまりの感じの悪さに、サドルを1センチ上げたという。「1センチ!?」と驚きのあまり彼に聞き直した。どの選手もミリ単位でセッティングを出しているのに1センチなんて聞いたことがない。すると「ワットバイクはそれくらいの高さで乗っているので大丈夫です」と笑って答えた。なにか、大陸的なおおらかさを感じ、ほんわかした気分になった。ギスギスした競争社会にも彼のような選手がいてもいい。そりゃ皆が彼のようなら困るが…。

12R、佐々木豪がライン3車で有利に進められる。浅井の調子が読めないだけに「カマシが得意」のレースに持ち込めればチャンスはある。(日刊スポーツ評論家)