誘導タイムが遅い競輪は、後ろから押さえて先行するのが強くなる近道だった。自力選手の調子が少々悪くても、番手選手が仕事をしてくれるので、ごまかしようがあった。しかし、今の競輪はカマシ先行が主流なので、仕掛けるタイミングを逃したら7、8番手になる。問題は先輩や格上の選手が付いてもカマシを狙えるかどうか。そこをクリアしないと、いつまでも成長しない。

ヤマコウは2予7Rの岩谷拓磨に期待を寄せた
ヤマコウは2予7Rの岩谷拓磨に期待を寄せた

2予7Rの岩谷拓磨も、自分が残れる仕掛けとは何なのかを考えれば、もっと強くなる。初日は前受けからカマしたから井上昌己とワンツーが決まった。前回の小倉F1は師匠、吉岡稔真の冠レースだった。2日目以降連係したのは、兄弟子の園田匠や小川勇介だったので仕方ない面もあるが、持ち味を生かしきれてなかった。別府G3の時「長い距離を踏むことを意識している」と言っていたが、それ以上に大事なのが、後ろがどんな選手でもよそ行きの組み立てをしないことだと思う。

2予7Rは、先行にこだわりがあるというより、チャンスがあれば先行と考える選手が多い。リスクを取ってカマすレースができると成長も早いだろう。(日刊スポーツ評論家)