富山インターに近づくと、いつも胸が苦しくなる。それは(山口)拳矢が富山の私立中学に入ったことが発端だ。

もちろん、岐阜なので寮生活。小学校を卒業して、いきなり縁もゆかりもない富山で生活するのはつらかったのだろう。週末は必ず電車で帰ってきた。

そして日曜日。富山の山奥にある学校なので最終バスが早く、昼過ぎには岐阜をたった。1、2回車で乗せて帰ったことがある。別れる時の拳矢の寂しそうな表情が忘れられない。

結局、彼は1年で地元岐阜の公立中学に編入し、それ以来の富山になる。本人もつらいが、私もその気持ちを考えるとつらかった。


ヤマコウは富山G3・初日特選12Rで松浦悠士を本命視
ヤマコウは富山G3・初日特選12Rで松浦悠士を本命視

特選12Rは、宿口陽一が志願して関東の先頭を走ることになった。「今があるのは平原さんのおかげ」かもしれないが、今の宿口にそこまで余裕があるのだろうか? 平原の番手を回り「吉沢には申し訳ないが別線で走ってもらう」でいいではないか。

いつもラインでまとまることがいいとは思わない。それを美徳とし過ぎて、若い選手も犠牲になっていることに気付くべきだ。

レースは宿口の先行。吉沢-平原が展開有利に進める。しかし、オールスター(決勝2着)であれほどのレースをした松浦が一本調子のレースをさせるとは思えない。

初日なので番手に行くことはないだろうが、緩んだらカマしたり、嘉永泰斗とやり合わせたりするだろう。狙いは松浦だ。(日刊スポーツ評論家)