検車場を出たところに喫煙場所が設けられている。今回は、湊聖二(アフロ)、松岡孝高、中嶋宣成(丸刈り)、下井竜、才迫開(金髪)の5人が集まっていた。深夜のコンビニでよく見る風景だった。

その後、加藤圭一が群れずに1人でタバコを吸っていたので声を掛けた。すると「僕は茅ケ崎出身なんで」のひと言が格好良く見えた。カトちゃんがそう見えるなんて、私は魔法にかかっていたのだろうか。

今回は“擦られた”メンバーではなく、初めての選手を取り上げたい。8Rの木村弘はデビューからずっと先行で戦っているので注目していた。「徹底先行にブレたことない?」と聞くと、よく考えて「なかった」と答えてくれた。初々しくていいなー。

彼のコメントはいつも「先行基本」というのも気持ちいい。「兄貴(元信・81期)から『ファンに愛される選手になれ』と言われています」というのが理由なので、ファンに分かりやすく伝えているのだろう。メンバーも違えば展開もあるので、全てのレースで先行することはできないが、ファンの車券に貢献しようという思いが伝わる。


ヤマコウは木村弘の先行力に期待
ヤマコウは木村弘の先行力に期待

北日本の選手は他の地区と比較して、自分の戦法や走りに実直な選手が多い気がする。番手の五日市誠もそうだし、3番手の尾形鉄馬もしかり。尾形は地味で目立たない選手だが、目標がいない時は競りにいく分かりやすい選手だ。最初は勝てなかったが、最近は勝負できるようになってきた。

レースは人気の太田竜馬が前受けしたら、木村は先行しやすい。太田や関東勢を苦しめる走りを期待する。(日刊スポーツ評論家)