地元で期待される真杉匠はダービー、全プロ記念を経て、宇都宮G3を走る。近況は、以前のような強気な組み立てがかみ合っていない。全プロ記念はともかく、ダービー決勝の負け方が尾を引いている印象だ。あのレースは、佐々木悠葵-吉田拓矢の後ろで優勝を狙った。防府ウィナーズカップの決勝もそうだが、真杉が番手を走らないことに違和感を覚えた。

ヤマコウは真杉匠(右)に「俺が主役」の気持ちを前面に…と期待する。左は吉田拓矢
ヤマコウは真杉匠(右)に「俺が主役」の気持ちを前面に…と期待する。左は吉田拓矢

真杉や吉田は、かつての武田豊樹や平原康多のような関係を目指しているのだろう。そのもくろみを壊されたのがダービーの決勝だった。単騎で走った古性優作に優勝をもぎ取られた。古性は普段から変化技を好まない。しかし、ダービーは前検から「自力自在」とコメントし「これは特別な大会である」と思わせた。レースも1走目の特選で深谷知広の番手を奪い、一番の強みである「ヨコの動き」を解禁。その結果、大会全体に緊張感をもたらした。

今回の真杉は「今の仕上がりを考えて吉田さんに前を」と言う。地元記念で万全ではないことは不安があるのだろう。しかし、真杉が支持を集めてきた理由は別にある。負けると分かっていても、強い相手に歯向かう姿だ。

彼は23年にオールスター、競輪祭を立て続けに取り、それ以降はG1優勝から遠ざかっている。それでも魅力が色あせないのは「強気に攻める姿勢」を崩していないからだ。吉田に任せて1歩引くのではなく「俺が主役」の気持ちを前面に押し出してほしい。真杉はそういうレースが一番似合う。(日刊スポーツ評論家)