最優秀新人選手は登録3年未満の若手から、最も活躍した選手が選ばれる。過去には今村豊、松井繁、瓜生正義など、そうそうたる顔ぶれが受賞している。

 2010年以降の受賞者も、第一線で活躍している選手が多い。その中で唯一、SGに出場してないのは村上遼(25=長崎)。ここまでは他に後れを取っている。しかし、彼の飛躍はこれからだ。18年後期適用勝率(7月以降)は6・32。初のA1昇格を決めた。

 15年の最優秀新人選手に選ばれ脚光を浴びた。しかし、その後は成績は伸びずに低迷した。17年後期からB級落ちも経験。「周りの期待やプレッシャーもあって、この2年は苦しかった」と振り返る。昨年の10月31日。勝率審査期間の最終日、1着を取ればA級復帰というイン戦で転覆失格。「できることなら、やり直したい」と今でも悔やむ。

 潮目が変わったのが今年1月。大村の正月戦で通算2回目の優勝を飾った。この優勝で自信を取り戻すと、勝率を上げてA1にたどり着いた。「うれしいけど、これで終わりじゃない。目指すところはもっと上にある」。目標はSGやG1での活躍。その機会はこの先、きっと訪れるだろう。

 15年に同じ110期の西沢日花里と結婚したが「すぐに子どもができて、式を挙げられてなかったので」と先月に結婚式を挙げた。選手としての充実期はまだ先にある。さらに上を目指す、村上の「これから」を楽しみにしたい。

 ◆村上遼(むらかみ・りょう)1992年(平4)6月3日、長崎県生まれ。12年5月大村でデビュー。15年11月の戸田ルーキーシリーズで初優勝。157センチ、51キロ、血液型はAB。

村上遼
村上遼