元ランク1位の青山周平(34=伊勢崎)が、3回目のSG優勝を飾った。2枠から好スタートで先頭を奪い、鈴木圭一郎、早川清太郎を振り切った。6月29日の落車で右鎖骨骨折の重傷を負ったが、復帰2節目で見事に復活した。

 まとわりつく湿気を切り裂いて、青山が逃げる。ずっと2番手にいる鈴木圭一郎の強襲をしのぎにしのぐ。「10周回を全開で走るのは難しいので、ペースを考えた。最後にやられることが多かったので、本当にうれしい。夢のよう」。最終回で迫ってきた早川清太郎も、抑えてのV、ヘルメットを脱ぐと、涙がにじんでいた。

 史上最年少、デビュー最短でのグランドスラムを狙ったランク1位に勝った。16年のSG全日本選抜では、ゴール寸前で抜かれ2着。同年スーパースターでは最終回の攻防で落車した。「長かった~、良かった~」と繰り返した。デビュー後の連勝12、史上初の無敗で初優勝、SG最短優出など数々の勲章を持つ。「元祖記録ハンター」が鮮やかによみがえった。

 「この後が大事。今日を忘れずにしっかり前を向きたい」。鈴木圭一郎に待ったをかけた男が、オートレースを盛り上げる。

 ◆青山周平(あおやま・しゅうへい)1984年(昭59)12月5日、千葉県生まれ。伊勢崎所属の31期生。S級2位。SG優勝は15年SS王座決定戦、16年オールスター、18年グランプリの3回。通算優勝37回。1着397回。趣味は映画観賞、公営競技観戦。163センチ、53キロ。血液型O。