カウントダウン連載「ROAD TO クラシック」は今日から2回、今大会の注目選手を取り上げる。クラシックはSG初優勝が多いことで知られ、SG初出場でも大活躍することが多い。下出卓矢(33=福井)は、昨年の平和島周年でG1初優勝して、SG初出場を決めた。水面相性の良さ、思い切りのいいレースで初の大舞台に挑む。

昨年10月、下出の平和島周年Vは鮮烈だった。相棒の67号機は複勝率28・9%と下位クラス。しかし出足を強力に仕上げ、優勝戦1枠をゲット。優勝戦ではSGタイトルホルダー平本真之にインを奪われる窮地に陥ったが、2コースからきっちり差し切り、G1初優勝を飾った。

下出が初のSGチケットを手に入れ、口にした言葉が印象的だ。「まくってアピールしたい」。足を伸び型に仕上げ、外から全速で攻める。それが下出の真骨頂である。平和島周年予選でも6枠の時、チルトを1度に跳ねて、大外から一気にまくった。「伸び型に調整してもいけると思った」と、さらりと話していたが、既にトップ級の出足を伸び型にシフトチェンジする決断にはおそれ入った。

今の平和島には伸び型で評判のエンジンがいくつかある。15号機、18号機、33号機など。それらが下出の手に渡れば、SG初勝利の水神祭はもちろん、その先の大暴れも期待できる。【中川純】

※明日は「注目選手(下)」