日本競輪選手養成所(滝沢正光所長)117期、118期(ガールズ9期)卒業記念レース(卒記)が23日、静岡・伊豆市の同所で行われた。女子は尾方真生(20=福岡)が5番手からのまくり追い込みでV。男子は青柳靖起(20=佐賀)が、3戦全勝で卒記チャンプに輝いた。候補生らは、今年から5~6月に新人同士の対戦となる「ルーキーシリーズ」でデビューする。

児玉碧衣、小林優香ら、ガールズ界を席巻する「華麗なる一族」に、また新たなスター候補が誕生した。

尾方が前2車のまくり合いの上を行き、姉弟子たちも手が届かなかった卒業記念女王の座を射止めた。「まくりが得意なのでまくりを生かした走りができればと思っていた。いつも焦ってしまうけど、今日は冷静に判断して走れました」とほほえんだ。

九州学院高まで陸上の短距離選手。その下宿先で、ガールズケイリンの存在を知った。故郷の熊本競輪場に足を運ぶと、練習する選手の姿に魅了された。尚絅学園大に進学したが「ガールズがとても強い、藤田剣次さんの下で鍛えてもらいたい」と大学を休学。弟子入りを志願した。今年2月に行われた第3回記録会ではゴールデンキャップも獲得し、実力は折り紙付きだ。

「走っている方々に比べてまだ脚力が劣っている。久留米のガールズの方々ともがいて鍛えたい」。夢は、姉弟子たちが頂点に立ってきたガールズグランプリの優勝。「お客様に迫力のあるレースを見せたい」。活気ある一門に受け継がれている女王の系譜に、自らの名を連ねてみせる。【山本幸史】