古性優作(30=大阪)が五輪組の脇本雄太(32=福井)の先行を差し切り、初タイトルを手にした。惜しいところで何度も逃してきた悲願のKEIRINグランプリ(GP、12月30日・静岡)初出場も決めた。

オールスター決勝ゴール。右から3人目が優勝した古性優作、右端が2着の脇本雄太、左端が3着の守沢太志
オールスター決勝ゴール。右から3人目が優勝した古性優作、右端が2着の脇本雄太、左端が3着の守沢太志

3年越しのリベンジに、古性は涙を抑えられなかった。18年のいわき平大会。決勝は今回と同じ脇本の番手だった。優勝した脇本に付け切れず、そのときの反省と後悔こそが、古性の原動力だった。今回は、脇本にピタリと食らいつき、新田のまくりを引きつけて直線で差し切った。これでやっと呪縛から解放される。


ゴール後にガッツポーズする古性優作
ゴール後にガッツポーズする古性優作

これまで何度もはね返されたGP出場という高い壁。「賞金では惜しいところまでいっていたけど、あと1歩、その1歩にすごい差を感じていました」。タイトルも取れそうでなかなか取れず、今回が7度目のG1決勝だった。「同学年の松浦(悠士)君や、郡司(浩平)君がどんどん取っていく中で、追いつきたいと思って頑張った。ぶれずに自分の走りを貫いて良かった」と達成感に包まれた。


古性優作(右)はレース後、脇本雄太に駆け寄る
古性優作(右)はレース後、脇本雄太に駆け寄る

脇本が五輪挑戦で不在の間は、必死に近畿ラインを支えた。村上義弘には「隙がない。超一流の選手に育った」と太鼓判を押された。その卓越した俊敏さゆえに大事な場面で事故や失格もあった。それでも、古性のレースには人々を魅了するものがある。今年は初めてオリオン賞に選出された。


「自分にはもったいないぐらいの舞台を与えていただいた。リズム良くこられたのは、多くの方の支えがあってこそ。夢みたいです」とファンへの感謝を口にした。【松井律】


優勝賞金ボードを掲げる古性優作
優勝賞金ボードを掲げる古性優作

◆古性優作(こしょう・ゆうさく)1991年(平3)2月22日、大阪市生まれ。清風高卒。BMX出身で08年世界選手権ジュニアエリート8位。競輪学校(現養成所)100期生として11年7月4日に岸和田でデビュー(完全V)。ビッグレースは初優勝。通算864戦259勝。通算獲得賞金3億7544万1700円。168センチ、77キロ。血液型O。



オールスター決勝の成績表
オールスター決勝の成績表