ボートレース「第131期選手養成訓練入所式」が5日、福岡・柳川市内のボートレーサー養成所で行われた。

52人(うち女子10人)が入所した中、プロ野球選手から転身する野田昇吾(28)は目標とする選手に、桐生順平(34=埼玉)を掲げた。修了後は埼玉支部に所属予定となっている。プロ野球経験者では早瀬薫平さん以来、2人目となる。

入所式で、野田は代表として「誓いのことば」を読み上げた。また、緊張を隠せない会見でも、言葉に力を込めた。「目標は桐生順平さんです」。西武ライオンズ在籍時から須藤博倫、桐生と交流があった。養成所の合格後に連絡して、「頑張ってこい」と激励を受けた。自ら選択した新たな世界に、「右も左も分からない状態。地を固めていきたい」と気を引き締める。入所前には、源田壮亮内野手ら西武の選手からも連絡があったという。

昨年12月、プロ野球トライアウトの翌日には、ボートレーサー転身を決断した。家族に告げると最初は反対された。賛同を得るのに時間がかかった。「プロにこだわっていました。説得するのに1カ月かかりました」。そんな家族にも入所前に、「妻(声優の佳村はるか)には安心して行っておいでと言われました」と温かく声をかけられた。

今後はプロ野球の経験を生かせる部分もありそうだ。西武の清川栄治2軍投手総合コーチは、「度胸はボートレースの世界で生かせるかもしれない」と話した。中継ぎとしてピンチを乗り越えてきた経験は多数ある。野田本人も「多くの場面でプレーできた。メンタルは自信になっている」と今後の糧とするつもりだ。