12R決勝戦は、3枠の丸野一樹(30=滋賀)が得意技のまくり差しで勝った。右腕で小さくガッツポーズしながらゴール。ピットに戻ると、「(優勝の)実感がないが、うれしいっす」と、表情を緩ませた。

相棒の58号機を信じた。前回で西野雄貴が出足とターン回りを仕上げて優勝した、その特性とパワーを存分に生かした。瓜生正義や白井英治、遠藤エミの伸びにターン勝負で対抗する策を練った。「もう西野(雄貴)選手のペラのおかげ。白井(英治)さんに締められる前に、まくり差しでいこうと。100点満点のターンができた」と胸を張った。

今年は夏場に左手の大けがを克服し、賞金を積み上げて年頭に掲げたグランプリ出場をたぐり寄せた。そして、いよいよ夢舞台が迫る。この冬、勢いに乗る男は「(GPへ)しっかり準備します」と、話して表情を引き締めた。