18年の日本選手権ファイナリスト山中秀将(35=千葉)が、選抜4Rで昨年6月24日の松阪初日以来200日ぶりの勝利を手にした。昨年7月の宇都宮最終日に落車し、左肩甲骨を骨折。半年近いブランクを経て、今回が復帰戦だった。

「正直、初日は最初から最後まで傍観者のような感じで終わってしまった」。しかし、この日はファンが山中の心に火をつけた。「(高橋)雅之さんと僕のオッズを見て、今の状態でも買ってくれる人がいるのは励みになるし、応援してくれるファンの声も聞こえた」。

最終2角で仕掛けた時、前にいた小川圭二のけん制があり「落車のイメージが強く残っていて、小川さんに車輪を持ってこられただけで大きく反応してしまった」と振り返る。だが、それをしっかり乗り越えた。番手の高橋もしっかりアシスト。「僕だけの力ではなく、雅之さんがサポートしてくれたおかげ」と感謝も忘れない。

G1で2度決勝に乗った実力者だけに「良かった頃に比べると、50%いってないくらい」と現状を分析する。それでも「1着を取れたのは薬になる」と前を向く。最後に「単純に、うれしい」とホッとした表情を見せた。ここからは復活への階段を上るだけだ。