これぞ経験値の差、読みがさえた。馬場貴也(38=滋賀)が、3周目までもつれた激闘を逆転で制し、今年2月の下関周年に次ぐG1・4度目、今年6度目、通算52度目の優勝を飾った。

悲鳴、歓声、どよめきの起こる名勝負を制した。馬場は枠なり2コースから差しを選択。ターンがやや漏れた黒井達矢の隙を逃さなかった。「黒井君はプレッシャーもあると思ったので。体感の感じはすごく来てた」と思惑がはまった。しかし、節一パワーの黒井が猛追。2周2M過ぎに並走、逆転に持ち込まれたが、3周1Mで差し返した。「冷静に回れました。うれしいのと疲れたのと」と照れた。

今年はG2以上を3度制したが、すべてインコース以外。G1優勝戦1枠で2度の敗戦がある。「そこが自分の課題。伸びしろというか、グランプリを目指す上で大事な要素かな。覚悟を持っていかないと」。それでも今年の賞金は2位へ浮上。「少しでも賞金を稼ぎたい。気を緩めることなく。(目標は)グランプリをセカンドで行って取ること」。年末を見据え、次走丸亀からも1走1走を積み重ねる。