2022年4月29日。東京・江戸川区にある江戸川ボートレース場で、透明感ある涼しげな美声が響き渡る。新たに女性の公営競技実況アナウンサーが誕生した。その名は辻村ゆりなさん。

かつてグラビアアイドルで芸能界に身を置いた彼女が6年後、27歳で実況アナの道を選んだ。スタジオジブリ作品が大好きな少女時代、グラビアアイドルや女優もやったタレント時代を経て、今、なぜ実況アナを目指したのか取材した。

-なぜ、アイドルに

辻村ゆりな(以下、辻) 小学生時代は教室の隅っこで絵を描いているおとなしい子でした。根は真面目で学級委員とかやってました。小さなころから華やかな芸能界に憧れがあって。立教大学の現代心理学部に入学してもその思いを持っていたのを両親は知ってました。大人だし、やりたいことをやって好きなことをしなさいと言われ、手当たり次第、あらゆる芸能事務所に書類を出しました。結果、一番早くお返事頂いた当時の芸能事務所に入って。そこのマネジャーさんとお話しした結果、まずはファンをつけようかって話に。アイドルから始めようって

-そして大学在学中にグラビアアイドルとなった

辻 20~22歳の時、グラドルやってました。グラビアのオーディションが元であったアイドルユニットです。グラドルやるようになって、第一に周りから驚かれました。えっ? あの、ゆりなちゃんが、水着になってるの? って。地元の友達はだいぶざわざわしました(笑い)。

-アイドル活動は3年弱

辻 今の自分の活動の基盤になってます。そこで出会ったファンの方々が、活動内容が変わってもずっと応援してくれている。本当に大切な時間。勇気を出して、その世界に踏み込んで良かったな、って

-しゃべる仕事に魅力を

辻 アイドルを卒業して、次の道を探そうと思って。そこでしゃべりの仕事がやりたいな、と。自分の夢に初めて気付きました。大学卒業と同時に1年間、アナウンススクールに通いました。それがしゃべりの基盤になってます。

-江戸川ピットリポーターになった

辻 2018年ですね。前の事務所を辞めて、フリーで。それで新しい事務所を入る入らないのタイミングで、潮田ひかるさんという元グラビアアイドルの方からの紹介で、江戸川ボートの実況担当、平山信一アナを紹介して頂いたんです。

辻村さんを指導する平山信一アナウンサーとの出会いが、のちに実況アナの道へ歩むきっかけとなった。(後編に続く)