原田幸哉(46=長崎)が極上の切れ味でオールスター初優勝を飾った。賞金ランクはトップに浮上。大村グランプリの出場に大きく近づいた。


オールスター初制覇を果たし、ガッツポーズする原田幸哉(撮影・梅根麻紀)
オールスター初制覇を果たし、ガッツポーズする原田幸哉(撮影・梅根麻紀)

またも伝家の宝刀が抜かれた。昨年のプレミアムG1・下関マスターズチャンピオンと同じ、3コースからのまくり差し。トップスタートで内2艇に重圧を与え、1Mは余裕を持って、間を割った。


イン先マイの白井英治を瞬時にとらえ、2Mも先取った。向かい風を気にした分、2周1Mで迫られたが、その後は危なげなかった。ゴール後は上半身を起こして、右手でガッツポーズ。「ユキヤ! ユキヤ!」の声援に、力強く応えた。


1周2Mをターンする原田幸哉(左)ら優勝戦メンバー(撮影・梅根麻紀)
1周2Mをターンする原田幸哉(左)ら優勝戦メンバー(撮影・梅根麻紀)

22度目の出場で初めてオールスターを制した。02年にSG(平和島ダービー)を初制覇し、若手の頃からファンの支持を集めた。しかし、投票結果に報いることができず、悔しさを抱えていた。「毎年、毎年、ちょっとずつ順位が落ちて、ふがいない気持ちがあった。自分の武器はスタートなので、今回はそこをアピールしようと臨んでいた。準優、優勝と最高のレースができました」。


今節はゼロ台のスタートが6度。技だけでなく、気持ちで引き寄せた5度目のSG制覇だった。


優勝カップを手にガッツポーズをする原田幸哉(撮影・梅根麻紀)
優勝カップを手にガッツポーズをする原田幸哉(撮影・梅根麻紀)

賞金ランクトップに躍り出て、今年最大の目標にも前進した。12月のグランプリは地元大村が舞台。「もう2度とないかもしれないし、どうしても出たい大会。最高の形で臨めると思う」。


これで賞金面の余裕はできた。昨年8月、蒲郡SGメモリアル以来の優勝で、大舞台に強い一面も印象付けた。「僕もまだ若いですよ(笑い)」。昨年、息を吹き返した天才肌に年齢は関係ない。【東和弘】


◆原田幸哉(はらだ・ゆきや)1975年(昭50)10月24日、三重県生まれ。本栖研修所(現ボートレーサー養成所)の76期生として、95年6月蒲郡でデビュー。いきなりデビュー戦を勝ち、たぐいまれなセンスを見せた。96年10月三国で初優勝。02年11月の平和島ダービーでSG初制覇。G1優勝18度、SGは今回が5度目。同期は魚谷智之、瓜生正義ら。172センチ、52キロ。血液型B。


 
 

 
 

◆優勝戦VTR スタート展示同様、進入は枠なり3対3。内のスロー3艇がコンマ10前後でスリット先行。イン白井が先マイも3コース原田のまくり差しが鋭く入った。原田は2Mで白井の差し返しを封じると、そのまま先頭でゴール。3着には1Mを外マイした篠崎が入った。


表彰式でメダルを授与された、左から篠崎元志、原田幸哉、白井英治(撮影・梅根麻紀)
表彰式でメダルを授与された、左から篠崎元志、原田幸哉、白井英治(撮影・梅根麻紀)