プロ野球選手からボートレーサーへ転身した野田昇吾(29=埼玉)のデビュー戦は4着だった。

野田の恩師、西武ライオンズ前監督の辻発彦さん(64)も教え子の走りをスタンドから見守った。1周1Mでいったん2番手に浮上すると「無事に(走り)終えてくれればいいかなと思ったけど、回った後に“行け~”と声が出てしまいました」と、ほほ笑んだ。

その後は、わずかな時間ながらも野田と対面。肩を抱き、エールを送った。「体重を23キロも落としたと聞いた。(西武時代の)背番号と同じだなと。その覚悟が彼にはあった。この先、いろいろな苦労があると思うけど、1年でも長く頑張ってほしい。ずっと見守っていきたい。けがをしないように。そこが一番かなと思います」。異色の転身、極限の減量など、あらゆる苦労の末にたどり着いたデビューに思いを寄せた。

辻さんはこの日、ボートレースを初観戦。1Rで野田の舟券も購入した。「それはお祝いですから。楽しかったです。初めて(公営競技を)経験できて、いい1日でした」と笑顔で振り返った。