【ジッダ(サウジアラビア)2日】W杯アジア最終予選の最終戦に臨む日本代表が、サウジアラビア戦の試合地ジッダに到着した。長旅だったが、ハリルホジッチ監督は「勝ったから疲れはない」ときっぱり。8月31日のオーストラリア戦勝利でW杯出場権を獲得し、笑顔を見せる余裕をのぞかせた。その試合で若いFW浅野、MF井手口が得点し、W杯本戦のメンバー争いは激しさを増した。離脱したMF長谷部、香川を除く25選手にとって、5日は代表生き残りをかけたアピールの場になる。

 サウジアラビアは現在、最終予選B組2位。勝ち点で並ぶ同3位のオーストラリアが、ホームで最下位タイ戦を残すだけに、勝利はもちろん、複数得点を狙ってくると予想される。W杯出場権が手に入る2位死守へ、6万人収容のスタジアムで、攻撃的に仕掛けてくる。

 今はハッジと呼ばれるイスラム教の聖地メッカへの年に1度の巡礼期間に当たる。日本代表が降り立ったジッダ国際空港は、巡礼者が訪れるメッカまで約90キロの最寄り空港で、巡礼者専用ターミナルがある。8月30日から試合前日4日までの巡礼期間に、300万人近くがジッダを訪れる。5日は休暇の人が多く、街全体からアウェーの雰囲気が漂う様相だ。

 連日午前5時台には、街に多数ある寺院のスピーカーから大音量で、礼拝を呼びかける声が響き渡る。ハリルホジッチ監督は「最終戦でも勝利を味わいたい。選手にはそうしてほしい」と奮起を期待する。W杯本戦を見据え、精神力の強さが求められる。【高田文太】