J2首位の清水エスパルスMF矢島慎也(30)が古巣対戦に燃えている。28日はアウェーで勝ち点3差の3位岡山と対戦する。今季加入のベテランは15年から2シーズン、岡山でプレー。在籍時にはリオ五輪にも出場するなど、飛躍のきっかけになった。昨夏以来の4連勝が懸かる次戦は、リーグ中盤の行方を左右する「上位対決」。昇格を争うライバルを突き放す今季1号を狙う。

   ◇   ◇   ◇

矢島の状態は上向いている。岡山との次戦に向け、26日は静岡市内で調整した。今季は開幕前のケガの影響で出遅れるも、7日の甲府戦で初先発。前節仙台戦では今季最長となる69分間の出場で存在感を放った。次戦も先発が濃厚で「コンディションは上がってきた」。特別な一戦を前に士気も上がっている。

矢島はプロ5年目の15年に浦和から岡山に期限付き移籍。出場機会を求めて武者修行した。加入1年目はJ2で37試合に出場し、キャリアハイの8得点。「一番濃い1年間だった」と振り返った16年も主力としてJ1昇格プレーオフ決勝のピッチにも立った。在籍中にはU-23日本代表の一員としてリオ五輪に出場。その後はG大阪や仙台、大宮などを渡り歩いたが、「(岡山は)思い入れのあるチーム」だという。

相手は今季リーグ最少失点の堅守が武器。戦況と相手の特徴を見ながら柔軟に対応する矢島のプレーが突破口になりそうだ。秋葉忠宏監督(48)も「いろんなポジションができて、誰と出るかでプレーを変えられる。力を存分に発揮してほしい」と期待を込めた。

勝てば首位キープだが、負ければその座を明け渡すことになる。次戦はリーグ中盤戦の行方を占う大一番。矢島は「勝ちを目指して戦う。自分としても点が取れればもっとよくなっていくと思う」と意気込んだ。目指すのは清水での移籍後初ゴールとチームの4連勝。岡山への「恩返し弾」で大型連勝の足がかりを作る。【神谷亮磨】