「令和」で迎える最初のオリンピック(五輪)に、ベストメンバーで挑む。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(61)が改元のタイミングで日刊スポーツのインタビューに応じた。

 

取材後記 インタビューが始まると、田嶋会長の左脇にコップ1杯の水が置かれた。序盤こそ会話が一段落するたびに喉をぬらしていたが、東京五輪の話題に入るとコップに手が伸びなくなった。「このチャンスを逃したくない。本当にいい時代にしたいんですよ」。言葉がどんどん熱を帯びていった。

日本サッカーのために何ができるか-。軸足はぶれない。FIFA理事も務める一国の会長が、自ら海外クラブとの交渉に出馬するのは異例といえるが「日本サッカーの収入を増やすのも大事だけど、そういうことが一番大事だと思っています」。悲願のW杯ベスト8も「常に入る力を持っていれば、運を味方にすれば(頂点に)行くんですよ。(FIFAランク)10位台で22年に臨めれば」と通過点とし、世界一へとまなざしを向ける。「日本が次のステージに乗るか乗らないか。やりますよ」。取材後、水が半分残ったグラスの周りには、無数の水滴がついていた。時間を忘れて夢中で思いの丈を語れるトップの姿に、メダル奪取への本気度を感じ取った。

【サッカー担当キャップ=浜本卓也】