森保ジャパンが「名波流」の“習得”を目指す。今日28日、国際親善試合キリンチャレンジ杯コロンビア戦(ヨドコウ)に臨む。

チームは26年W杯を目指して加わった名波浩コーチのもと、再出発とともに、新たな攻撃の組み立てに着手。森保一監督(54)は、この連係向上も含め、メンバーを24日のウルグアイ戦(国立)から大きく変えないことを示唆した。難しいミッションを選手に与えながら、勝利を目指す。

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多くの選手に出場機会を与えてきた森保監督が、異なる方針を打ち出した。コロンビア戦前日会見で「(24日の)ウルグアイ戦のメンバーを中心に、何人かの変更を考える」。かねて国際親善試合では大幅なスタメン入れ替えも行ってきたが、今回はない模様。「名波式」の新攻撃をチームに浸透させるための判断だ。

W杯カタール大会ではカウンターが通じて16強に進んだが、その先に進むためには-。得た教訓は、よりボールをコントロールして攻められるようになること。その一手として新チームでは、現役時代に司令塔で「天才レフティー」とも呼ばれた名波コーチのもと、サイドバック(SB)が中央に入ってパスの連係に加わる新たなスタイルに挑戦する。独特な動きで攻撃参加するSBが、森保ジャパンの新しい見どころだ。

はまればパスの選択肢が増え、前線の選手がより自由に動けるスペースが増える。ただ、まだトライは始まったばかり。攻守のつなぎ役になるボランチMF守田は「(ウルグアイ戦では)立ち位置や選手同士の距離感も難しく、迷いもあった」と試行錯誤の段階であることを明かした。一方で短期間での修正ながら「近い選手との関係性もクリアになってきた」とも言った。ウルグアイ戦では、まず目指す攻撃の形を作ることに気を取られた部分もあったが、コロンビア戦も失敗を恐れずチャレンジする。

森保監督はこの取り組みについて「将来的には(SBが)内に入るだけでなく、幅を取ったり両方を使い分けられるように」と、より相手が対応しづらくなるような攻撃づくりの狙いがあることも示唆した。すべては26年W杯で歴史を変えるためのトライ。勝利を目指しつつ、より戦闘力のあるチーム作りを推し進める。【岡崎悠利】