オランダ(FIFAランキング8位)が初戦で日本(同18)と対戦し、勝ち点3を逃した。0-0で迎えた後半、主将のDFファージル・ファンダイク(34=リバプール)がセットプレーからヘディングを決め、FWクリセンシオ・シュメルビル(24=ウェストハム)も右サイドから左足で鋭く決めたが、その2度リードを追いつかれて勝ち点が3から1となったロナルド・クーマン監督(63)は、インタビュアーから厳しめな姿勢で質問された。
試合後、同国の公共放送NOSのフラッシュインタビューに応じたクーマン監督。一問一答は次の通り。
-試合終了から少し時間が経ちました。試合直後は身体の動きや表情から悔しさが伝わってきましたが、今の心境はいかがですか?
「試合直後はそうだったかもしれませんね。試合中に2度もリードしながら勝ち切れなかったわけですから、多少の落胆はあります。それは受け止めなければなりません。ただ、その一方で、この結果を受け入れることもできます。日本にもチャンスはありましたからね。両チームにとって素晴らしいハイレベルな試合だったと思います。彼らも実力を証明しました」
-しかし「素晴らしい試合」というのは、主に監督目線での話ですよね? 観客や視聴者は、もっと多くのチャンスやゴールといった派手な展開を期待していたと思いますが、やはり監督の目で試合を見ていたのでしょうか?
「ええ。日本を分析すると、彼らは常に非常に高い位置からプレスをかけてくるチームです。しかし、今日の試合では長い時間、彼らはそれを全くしてこず、引いて構えていました。自陣のボールの後ろに多くの人数を割いていたのです。そうなると、我々はもっと早くサイドに展開して1対1を仕掛けるべきだった瞬間が何度かありましたが、非常に難しかった。つまり、ある意味では日本側にも少し怖さ(リスクを冒したくない気持ち)があったということです」
-それはどれくらい難解なものなのですか? 相手の守備を打開する方法を探す中で、時にはもっとアグレッシブに(縦に速く)行くべきか、それとも別の方法をとるべきか、あるいは忍耐強く戦うべきか。そのあたりがジレンマだったのでしょうか?
「ええ、間違いなく忍耐が必要です。ただ、我々の前線の構成も考慮しなければなりません。サイドにはスピードと突破力のある選手がいます(ガクポ、シュメルビル)。一方で中央のストライカー(=マレン)は足元で受けるよりもスペースへの飛び出しを得意とするタイプです。しかし、今日の試合ではそのスペースがなかなかありませんでした。ゴールキックの局面や、ボールを奪った瞬間にはもう少しスペースがありましたが、基本的には非常に難しかった。そうなると我々の強みであるセットプレーの質が危険な武器になりますし、実際にそこからチャンスを作れました。後半の入りは良かったと思いますが、最後まで緊迫した展開が続きました」
-最終的にゴールを奪いました。このような試合展開での追加点は大きなアドバンテージだったはずです。2-1と勝ち越した直後、あのように早く追いつかれてしまったのはどれほど落胆しましたか?
「追いつかれ方も問題でしたね。(1-1、中村のゴールについて)彼らがこちらのペナルティーエリア付近まで進入してきた場面です。特定の選手を批判するつもりはありませんが、ボールの周り、そしてクロスを戻した最初の選手に対して、我々は3、4人で囲んでいました。ペナルティーエリアの境界、あるいはエリア内だったかもしれませんが、そこではもっとアグレッシブにシュートブロックにいかなければなりません。キーパーにとっても、股下を抜かれるシュートはノーチャンスですから、最も避けたい形でした」
-スタジオには3人のアナリスト、解説者(ファンデルファールト、ファンホーイドンク、キーフト)がいます
「彼らは監督ではないですよね」
-ただ彼らも分析の目、監督の視点で見ており、試合後も既に多くの意見が出ています。その中から2点、監督にうかがいたいことがあります。まず1点目は準備段階についてです。彼らは「これだけチームで準備を重ねてきたのだから、もっと自分たちの強みを前面に出すべきではないか。オランダは本来、日本よりも格上なのだから、主導権を握る戦いをすべきだ」と言っていますが、どう思われますか?
「『格上』とおっしゃいますが、もし我々がこれ以上攻撃的に戦っていれば、さらにスペースが空いてしまい、彼らの手の内に落ちていたでしょう。日本はまさにそれを狙って待っているのです。ですから、彼らの言い分も理解できなくはないですが、私は違う見方をしています。過去数試合と比べても、今回の戦い方の方がはるかに良かった。日本を過小評価してはなりません。私はそう考えています」
-やはり忍耐強さが重要な試合だったということでしょうか?
「その通りです。チャンスを待たなければならず、それは非常にうまくできていました。ただ、繰り返しになりますが、2度リードしたからには勝ちたかった。終盤に(ナタン・)アケを投入したのは、相手へのプレスが効かなくなっていたからです。サイドで簡単に崩される場面が何度かありました。守備自体はうまく対応していましたが、非常に不運な形で2点目を失ってしまいました」
-アケが投入されたことで、最終的に5-3-2のシステムになりました。2-1でリードしている状況での交代でしたが、その結果、前線のスピードが失われてしまったのはもったいなくありませんでしたか?
「シュメルビルに関してはイエローカードを提示されていたための交代です。そして、マレンを下げたのは、これ以上スペースに飛び出すチャンスがないと判断したからです。より深く守らざるを得ない状況でした。そこで(メンフィス・)デパイのようなキープ力のある選手を投入することで、ボールを落ち着かせ、前線を押し上げようと考えたのです。これらはその時々の選択であり、試合後にあれこれ言うのは簡単です」
-サッカーの試合では、一方がリードすればもう一方がプレッシャーを強めてくるのは自然な流れですよね?
「ええ、それは試合を通してずっと見られた傾向です。彼らは同点の時はプレスに来ず、ビハインドの時だけ前に出てきました。我々はそういった局面での試合運びをもう少しうまくできたかもしれません。しかし繰り返しますが、落胆はしていません。選手たちは全てを出し尽くしましたし、時間帯によっては非常に素晴らしいプレーを見せてくれました。我々オランダ人は『どの相手にも簡単に勝てる』と思いがちですが、日本は本当に素晴らしいチームです」
-試合の最終盤、どのようなことを感じていましたか? 同点ゴールを決められそうな予感はありましたか? 監督がテクニカルエリアで非常に激しく指示を送っている姿が見えましたが
「相手がサイドから突破してくる場面が増えていたのは見えていました。だからこそナタンを投入し、我々のウィングバック(ファンデフェン、ドゥムフリース)が、より早く外側のケアに出られるようにしたのです。通常であれば、サイドからのクロスボールに対して我々は非常にうまく守れます。ただ、あの時は左サイドの背後のスペースを何度か突かれ、ポジショニングが良くありませんでした。それに、少し運も必要でしたね。相手のヘディングシュート(小川の2-2弾)は、おそらくそのままではゴール枠を捉えていなかったと思います。しかし、それが他の選手に当たって軌道が変わり、勢いが増してゴールに入ってしまった。残念ながら、全てを防ぐことは不可能です」
-とはいえ、初戦が終わり2-2の引き分けです。ここから次につなげられますね。この試合に向けて決して怖気づいていたわけではないでしょうが、非常に強い相手と戦うということは意識されていたと思います
「良いスタートを切りたかったですし、当然、勝って始めたかったです。勝てば落ち着きと自信が生まれますからね。しかし、試合の展開をベースに考えれば、この結果には満足していいと思います。ここから得られるものはありますし、まだ改善できる部分もあります」


