史上初めて参加48チームに増えた今大会。スペイン(FIFAランキング2位)がアルゼンチン(同1位)を延長の末に倒し、4大会ぶり2度目の優勝を飾った。日刊スポーツ評論家のセルジオ越後氏(80)は、決勝戦を見届けた上で日本に対する愛情ゆえの「このままじゃ、優勝は一生無理じゃないの?」という総括にたどり着いた。
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負けたアルゼンチンは相撲でいう、うっちゃり(逆転)でたくさん勝ってきたけど、39歳のメッシがマークされた上で、退場者が出て10人になれば勝ち目はなかったね。
スペインは5得点のオヤルサバルが大会を通じて活躍したけど、主将ロドリや19歳のヤマルを含め、個人に頼ることなく全員で幅広い攻撃を仕掛け、準決勝ではフランスのエムバペを封じ込んだように8試合で1失点。間違いなく、世界NO・1だと言えるよ。
前回大会では日本に1次リーグで敗れたスペインだけど、選手層が圧倒的に違う。世代交代が常にあり、エンリケ監督からデラフエンテ監督に交代し、チームは生まれ変わった。
スペインと同じく前回はベスト16の日本のことを、僕は改めて考えてみた。この日の決勝を見たけど、何年後、いや何十年後かに、日本が同じ舞台に立てるのか。このままじゃ、優勝は一生無理じゃないの? と思う。
帰国後の森保監督はメディアで、チームのことを絶賛していたけど、それは僕が監督でも言いますよ。だって、自分でつくった料理はおいしいもん。でも、前回より悪いベスト32の結果が出てしまった以上、評価は監督が決められるもんじゃない。
この前、日本協会と森保監督が文部科学省を表敬訪問し、結果報告をしていたよね。もちろん、それはそれでいいけど、僕は今回の結果を踏まえた、協会の振り返りや反省といった報告を待っているんだ。
日本代表を会社に例えるなら、売り上げ(結果)が落ちれば、株主総会は荒れるよね。そこから人事異動もあるシビアな世界。でも今回、ファンや周囲の声は優しいよ。「感動ありがとう」「このままいけば優勝できる」って。チームが英雄扱いされているようにも見えた。
でも、ちょっと違うよ。反省会をやり、きちんと報告できない組織は成長しない。日本のメディアも厳しく追及しない。政治や経済には厳しいけど、プロスポーツには甘い。そういう環境や文化が、欧米とは違いすぎるよね。だから僕は、日本代表に優勝してほしいけど「無理」と言ってしまう。
この決勝で前回大会からのスペインの飛躍を見て、世界はどんどん進化している。日本も置いていかれないように、再スタートしてほしいね。(日刊スポーツ評論家)



