運命的な土地で、縁深い相手と熱戦を演じた。日本代表の森保一監督(57)は選手時代に93年の「ドーハの悲劇」で逃した94年W杯の開催地で、初戦を指揮。当時日本代表監督だったハンス・オフト氏(78)の母国オランダ相手に真っ向勝負を挑み、引き分けた。

晴れやかな表情で会見場に入ってきた指揮官は「主体的に対応力を見せてくれて、2度追いつけたところが大きな、大きな自信になる」とうなずいた。

試合のポイントは後半30分。1-2とされた後にFW小川、DF菅原、DF冨安を一気に投入した。2トップにして起点を増やしたことで、左利きの堂安と代えた右利きのクロスが武器の菅原が生きる。伊東との連係もよく、右サイドから押し込んだ。

何度もチャンスを作り、迎えた後半44分。菅原の縦パスに抜けだした伊東が右CKを獲得し、小川のヘディングが同点弾につながった。前回の22年W杯カタール大会に続き、大舞台で森保采配がさえ渡った。名将は「攻撃のギアが上がって得点に結びついた、圧力を上げていけたところは、選手たちがよく頑張ってくれたかな」と目を細めた。

次につながるドローだ。F組で最もFIFAランキングの高いオランダに引き分け、残り2試合で1勝でもすれば決勝トーナメント進出がグッと近づく。「勝ち点1以上の価値のある勝ち点1。オランダ相手に2回もリードされている状態で勝ち点1を取れるのはそう簡単じゃない」。

会見で質疑応答が終わると、自らオランダメディアに向けて切り出した。オフト氏らの名前を挙げ「日本のレベルアップに貢献していただいたので、感謝申し上げたい」。会場を拍手で送り出された。【佐藤成】

【ライブ詳細】日本2度追いつきオランダに貴重勝ち点1 小川航基ヘッド鎌田大地に当たり後半44分に同点