W杯初出場のカボベルデ(FIFAランキング67位)が「無敵艦隊」スペイン(同2位)と0-0で引き分けた。27本ものシュートを浴びながら、40歳12日のGKボジニャ(ポルトガル2部チャベス)を軸に堅守で乗り切った。アフリカ大陸の西に浮かぶ島国で人口約55万人、その面積は滋賀県ほどだ。今大会の最小国が、優勝候補から歴史的な勝ち点1を手にした。一方のスペインは、世界記録を更新する公式戦の連続不敗を32に伸ばしたが、優勝を狙う上で課題を残した。
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誰もがスペインの圧勝を予想していた。しかし、ふたを開けてみれば驚きの展開となった。カボベルデは終始ボールを握られたが計算の上。統率された4-5-1のブロックを敷き、組織だった守備で対抗した。最後尾にはボジニャが門番として構えた。前半39分にはFWオヤルサバルのシュートを右手1本ではじき出し、同45分にはFWトレスの左足もファインセーブ。追加タイムにはCKからDFラポルトのヘディングシュートもセーブした。
無敵艦隊に臆することがなかった。ボールを奪えば大きく蹴り出さず、細かくパスをつないで攻撃した。FWリプラメントが意表を突くロングシュートを狙えば、後半追加タイムにはCKからDFボルジェスが頭で合わせた。GK正面だったが、決まっていたら「世紀の番狂わせ」だった。MVPに輝いたボジニャは「私たちはこのために一生懸命努力してきた。世界最高峰の代表チームの1つと対戦することは分かっていたが、自分たちの実力も分かっていた」と胸を張った。
もともとポルトガル領で、独立したのは1975年のこと。歴史をひもとけば、15世紀に大西洋に浮かぶ無人島群のカボベルデに奴隷貿易の拠点をつくったことに始まる。建国同様に、サッカー協会が誕生したのもW杯スペイン大会が開催された82年とまだ歴史が浅い。ボジニャは同国サンビセンテ島出身だが、ポルトガルなど欧州生まれの選手は多い。組織だったスタイルはそんな背景に起因する。
驚きのドローは称賛を呼んだ。会場からは惜しみない拍手と歓声が送られ、ボジニャのインスタグラムのフォロワーは試合前の5万人から終了12時間で一気に540万人にまで増えた。名前を売った守護神は「この大切な日のために多くの努力を重ねてきた。非常に難しい試合になることは分かっていただけに、とてもうれしい」。48チームに拡大されたからこそ新たな歴史が生まれた。カボベルデは世界中の多くのファンの心をつかんだ。


