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【アカデミー賞】 「英国王のスピーチ」4冠

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コラム「michi's EYE 〜元日本代表・村上睦子がみたレッドウェーブ

21歳中畑のスピードは大きな武器!


 富士通が開幕から4戦を終えて3勝1敗と絶好のスタートを切りました。チームの主力で、日本代表の三谷藍(31)を4戦ともスタメンから外しながらのこの成績は、選手層が厚くなったことを示すもので評価できます。

 第11回Wリーグ開幕の9月26日。富士通とJOMOの試合を観戦しました。開幕というのは長いシーズンの中でも特別な日です。私が現役の時はシャンソン化粧品とJOMOの2強時代で、開幕戦の相手はほぼJOMOと決まっていました。いきなりのライバルとの対決に緊張しましたが、「初戦は何が何でも勝ってシーズンのいい流れをつかみたい」と必死に戦ったのを覚えています。

 さて今年の開幕戦で目立ったのはPG(ポイントガード)中畑恵里(21)のドライブのスピードでした。日本代表のJOMO・大神雄子(26)を振り切る場面もあったほどで、そのリズムと的確なアシストでチームに流れを引き寄せていました。残念だったのは後半になってミスが目立ち始めたことです。「若さ」と言ってしまえば簡単ですが、PGは常に落ち着いてゲームメークをすることが求められます。シーズンが深まるにつれ緊張を強いられる場面が多くなってくると思いますが、要所こそ冷静にプレーしてほしいです。

 そしてこの試合のラッキーガールだったのがCF(センターフォワード)の鈴木あゆみ(23)でした。カットインプレーやゴール下での勝負、そして3点シュートと大事な所で得点を重ねて28得点を挙げました。180センチの身長ですが、外角でのプレーができ、全員が動き回るという富士通のプレースタイルに非常にマッチした選手だと感じました。「初めての体験」と話した試合後の勝利インタビューを恥ずかしそうに話していましたが、プレーは堂々たるもの。ほぼ同じポジションの畑恵里子(26)や三谷との使い分けで、チームとしての幅が出て試合運びも楽になると思います。

 ゲーム後に印象に残ったのは、岡里明美監督の周りに選手が集まってハイタッチで喜びを分かち合っているシーンでした。監督としての初采配を選手みんなが意識し、指揮官を信頼してチームがひとつになっていると感じられた瞬間でした。みんなで走り、当たり負けしないバスケットをモットーにする富士通には今後も期待が持てそうです。

 優勝候補筆頭であるJOMO相手の2連勝は価値があります。ただしJOMOはこの試合の先発のほとんどが全日本組で、動きからもアジア選手権の疲れを感じました。若手を使うシーンもありましたが本調子には程遠い出来だったと思います。本来の出来に戻れば連勝を重ねる力は十分に持っており怖い存在には変わりありません。

 連勝を狙った10月3日、4日の日本航空戦は1勝1敗でした。初戦は92-56の余裕の勝利でしたが、第4戦は65-75の敗退。バスケットはひとつのミスやリズムの変化でよくもなるし悪くもなるスポーツです。開幕でも見受けられましたが富士通は時折、ミスを連発し、相手に流れを渡してしまう場面がありました。この点を克服して自分達でゲームをコントロールできるようになれば白星は自然に増えていくでしょう。

村上睦子(むらかみ・ちかこ)
 1970年生まれ。愛知県常滑市出身。現姓・岩屋。星城高卒業後、89年にシャンソン化粧品女子バスケットボール部に入部。165センチの身長ながら的確なパスワークと突破力を武器にポイントガードとして活躍した。シャンソン化粧品の10連覇のうち90-91年シーズンから98-99年シーズンの9回の優勝に貢献。その間、新人賞、3回のMVP、7回のベスト5を受賞した。日本代表では92年、98年の世界選手権、96年のアトランタ五輪に出場。アトランタ五輪では7位入賞を果たし、97年には米女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)ニューヨーク・リバティのトライアウトにも挑戦した。99年のシドニー五輪アジア予選を最後に現役を引退。現在は子供たちを対象にしたバスケットボール教室などを行っている。

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