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コラム「michi's EYE 〜元日本代表・村上睦子がみたレッドウェーブ

1日4000キロカロリー摂取が義務!!


 オールジャパン(全日本総合選手権)まで約2週間となりました。富士通は1月3日からの登場です。オールジャパンの展望は次回にお話しすることにして、今回は選手の食事について書いてみようと思います。

 皆さんはバスケットボール選手がどんな食生活をしているかご存じですか? ボクシングや柔道などの競技では減量を必要として食事制限もあるようですが、バスケットボール選手にはそれはありません。しかし食事の栄養バランスを考えて、トレーニング期と試合期では摂取するものは変えています。

 どの競技もそうだと思いますが、実業団のチームには専属の栄養士がいます(最近では高校でも栄養士をつけている学校もあるようです)。私が現役の頃はその栄養士の指示に基づいて寮母さんや賄いの人たちが作った食事を食べていました。その内容を大きく分けると、試合の続く冬場はエネルギー源を特に必要とするので炭水化物(ご飯や麺類)が中心の食事となり、シーズンオフなどで筋肉をつけたい時はたんぱく質中心に摂取していました。

 個々の選手で体格も体質も違うので、食事だけでは足りない場合もあります。現役当時、同じチームだった加藤貴子は試合期には大量の食事を摂ってもカロリー消費が激しくどんどん痩せていくため、プロテインを飲んで対応したりしていました。また免疫力を向上させるというビタミンCは体内に蓄積しにくいため、選手全員が粉末で摂取していました。

 いま思い出すと私の高校生の頃の食事は栄養の事をあまり考えず食べていたなのでメチャメチャだったような気がします。寮生活を送っており、学校の食堂で朝食と夕食を食べていたのですが、栄養のバランスなど考えず、ものすごい量の食事を食べていました。下級生の頃は先輩の管理が厳しく食事を残せないので、無理やり詰め込んで、その後に吐いた事もありました。昼食は売店で買うパンと牛乳で済ませていました。そのせいもあってか、当時の私は貧血気味で、持久力が落ちることが多々ありました。少し走るだけで苦しくなり、自分のしたいプレーもできなくなる。そのため私を含めて貧血気味だった選手は夕食の後に1年生が作った特製のレバニラを週に1回程度食べていたました。しかしこれが生臭くて食べられたものではないのです(実は当時の食事での一番の思い出はこの「レバニラ」かもしれません)。それでも貧血の治らなかった私は増血剤に頼った事すらありました。このように運動選手にとって食事は非常に大切なのです。

 さて今年の富士通ですが、オフシーズンから岡里監督が「当たり負けしない体作り」をテーマに掲げ、ウエイトトレーニングと食事に気を配ってきました。9月までのトレーニング期には1日に4000キロカロリーの摂取を義務づけたともいいます。一般的な20代の女性の1日に必要な摂取カロリーは2000~2500キロカロリー程度、運動する女性でも2800キロカロリーが目安と言われているので、4000キロカロリーという量は一般女性の2倍近い量になります。ご飯も1食で400グラム(コンビニのおにぎり約4個分)をノルマとしていました。

 その成果が出て、今季の富士通の選手は体が一回り大きくなって、インサイドでは押しつぶされず、体の軸がぶれることなくプレーしているように思います。一生懸命練習しても、それを生かす体がなければいいプレーは生まれません。その体は食事が支えているといっても過言ではないでしょう。当たり負けしない体を武器に、富士通には一発勝負となるオールジャパンでの優勝を期待しています。

※次回は、12月24日更新予定です。

村上睦子(むらかみ・ちかこ)
 1970年生まれ。愛知県常滑市出身。現姓・岩屋。星城高卒業後、89年にシャンソン化粧品女子バスケットボール部に入部。165センチの身長ながら的確なパスワークと突破力を武器にポイントガードとして活躍した。シャンソン化粧品の10連覇のうち90-91年シーズンから98-99年シーズンの9回の優勝に貢献。その間、新人賞、3回のMVP、7回のベスト5を受賞した。日本代表では92年、98年の世界選手権、96年のアトランタ五輪に出場。アトランタ五輪では7位入賞を果たし、97年には米女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)ニューヨーク・リバティのトライアウトにも挑戦した。99年のシドニー五輪アジア予選を最後に現役を引退。現在は子供たちを対象にしたバスケットボール教室などを行っている。

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