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コラム「michi's EYE 〜元日本代表・村上睦子がみたレッドウェーブ

24歳鈴木の成長がチーム好調の鍵


 開幕から8戦を終えて富士通は7勝1敗で首位に立っています。好調の要因のひとつが中畑恵里(21)鈴木あゆみ(24)といった若手の思い切りのいいプレーにあると思います。特に2年目の鈴木の活躍は目覚しく、8試合での総得点129点(2点シュート50本、3点シュート6本、フリースロー11本)はチームトップです。

 先日、富士通の体育館に練習見学に行き、鈴木に話を聞いてきました。昨年から一番変わったところはどこなのでしょうか。鈴木からは「昨年のリーグ開幕前はルーキーということもあり、先輩たちがチームの中心で、先輩がどうにかしてくれるという感じでした。私もチームに慣れることでいっぱいいっぱいで…」とのことでした。しかし2年目の今年に関しては「自分で何かをしなければという自覚があります」と彼女の中で大きな変化があるようです。

 さらに「他の選手たちからも“チームの一員として自分のやることをきっちりこなす”という気持ちが伝わってきています。いい意味での緊張感がチーム内にあります」とチーム全体の雰囲気の変化も感じとっているようでした。大卒2年目(筑波大卒)というのは真価が問われます。教員採用試験に合格し、就職先が決まりながらもそれを断って富士通入りした鈴木からは、今年にかける意気込みが感じられました。

 岡里監督も鈴木を「賢くてまじめな選手」と評しています。しかし一方で「まじめすぎることが欠点。自信がなかったり不安に思っているとそれがすぐ顔に出る」と話していました。その辺りは本人も自覚しており「監督にはすべてを見透かされているようです。でも不安に思っても仕方ないので、思い切ってプレーをするだけです」という開き直りも今シーズンの好調の一因でしょう。

 私の現役時代のポジションはチームの司令塔と呼ばれるポイントガードでした。そんな私から見ると身長180センチで、アウトサイドでもインサイドでもプレーできる鈴木は非常に使いやすい選手だと思います。まだまだスケールは及びませんが、全日本で一緒にプレーした萩原美樹子(元日本代表アシスタントコーチ)がそういったタイプでした。富士通にとって、鈴木が絶好調の今は、彼女を中心にゲームを組み立てつつ、相手が鈴木を警戒してきたら、三谷や畑を使って攻めることができるので、チームとしてのプレーの幅も広がると思います。

 開幕のJOMO戦で活躍した鈴木に他の選手も信頼を置きつつあります。彼女にとって今後戦うトヨタ、そして次のシャンソン化粧品といった実力のあるチームとの試合がポイントになると思います。手ごたえのある2チームとの対戦で結果を出せば、チームメートからの信頼はさらに厚くなり、本人にとっても自信になるはずです。鈴木の活躍に注目です。

村上睦子(むらかみ・ちかこ)
 1970年生まれ。愛知県常滑市出身。現姓・岩屋。星城高卒業後、89年にシャンソン化粧品女子バスケットボール部に入部。165センチの身長ながら的確なパスワークと突破力を武器にポイントガードとして活躍した。シャンソン化粧品の10連覇のうち90-91年シーズンから98-99年シーズンの9回の優勝に貢献。その間、新人賞、3回のMVP、7回のベスト5を受賞した。日本代表では92年、98年の世界選手権、96年のアトランタ五輪に出場。アトランタ五輪では7位入賞を果たし、97年には米女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)ニューヨーク・リバティのトライアウトにも挑戦した。99年のシドニー五輪アジア予選を最後に現役を引退。現在は子供たちを対象にしたバスケットボール教室などを行っている。

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