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コラム「michi's EYE 〜元日本代表・村上睦子がみたレッドウェーブ

アケ、がんばれ! ここからが監督としての腕の見せ所


 トヨタに連敗していやな雰囲気だった富士通ですが、シャンソン化粧品戦、JOMO戦をともに1勝1敗で乗り切り3位に踏みとどまっています。

 気になるのはここにきて、ポイントガードの先発を中畑に固定できていないことです。11月8日のシャンソン化粧品戦と同13日のJOMO戦では、新人の有明が先発に起用されました。有明も力のある選手ですが、リーグ中盤でのスタメン変更は岡里監督にとっても頭の痛いところでしょう。もう1人のポイントガードである立川は経験もあり、ゲームの流れを変える力もあるので、彼女をシックスマンに使いつつ、中畑と有明をどの様に使うのかを監督も模索中なのでしょう。

 さて「岡里監督」と書きましたが、普段は「アケ」「ミチさん」と呼び合う仲です。ご存知の方もいることでしょうがアケとはシャンソン化粧品で6年間、ともにプレーし、アトランタ五輪にもいっしょに出場しました。そんなアケが監督として富士通を率いていることを頼もしく思っています。

 03年に現役を引退した彼女は「もうバスケをするのはいいや」と、バスケットから離れた生活を送っていました。しかし約2年が経過した時に当時の生活に物足りなさを感じたといいます。そんな時に来た富士通のアシスタントコーチへの就任依頼だったので、即決で受諾し、バスケットの世界に戻ってきました。アシスタントコーチとして4年の経験を積んだアケは、昨季終了後に監督の話が来た時も「こんな話はめったにあるわけでもないし、迷うよりもやってみよう」と前向きに引き受けることにしたそうです。

 Wリーグ初の日本人女性監督ということで、アケには大きな期待と注目が集まっています(もちろん私もその1人です)。私は現役時代に、女性の李玉慈アシスタントコーチ(元富士通監督)から指導を受けたことがあります。男性の指導者とは違い、女性の指導者は細かいところまで目が行き届き、精神面でもアドバイスも多く受けました。また同性にしかわからない部分も敏感に感じ取ってもらったという印象があります。

 アケも厳しい現役時代を経験してきており、プレーヤーの気持ちは痛いほどわかると思います。それだけに選手目線になりがちですが、監督としての立場もあり、選手との距離感をとても大事にしているようです。船引は「アシスタントコーチの時よりも今の方がいい。一線をおいてバスケに集中させ、怒る時はプレーのみ。いいものはいい。悪いものは悪いとはっきり言ってくれる」と話してくれました。

 日本航空、アイシンAWとの対戦を終えるとリーグは東アジア大会のために中断期間に入ります。再び首位に立つためには絶対に落とせない4戦になります。アケも監督としての腕の見せ所です。外見は細身ですが、精神的には芯の強いアケに期待しています。

村上睦子(むらかみ・ちかこ)
 1970年生まれ。愛知県常滑市出身。現姓・岩屋。星城高卒業後、89年にシャンソン化粧品女子バスケットボール部に入部。165センチの身長ながら的確なパスワークと突破力を武器にポイントガードとして活躍した。シャンソン化粧品の10連覇のうち90-91年シーズンから98-99年シーズンの9回の優勝に貢献。その間、新人賞、3回のMVP、7回のベスト5を受賞した。日本代表では92年、98年の世界選手権、96年のアトランタ五輪に出場。アトランタ五輪では7位入賞を果たし、97年には米女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)ニューヨーク・リバティのトライアウトにも挑戦した。99年のシドニー五輪アジア予選を最後に現役を引退。現在は子供たちを対象にしたバスケットボール教室などを行っている。

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