チーム内下克上で上昇ムードの「豆乳鍋軍団」が、上位進出を目指す。箱根駅伝(来年1月2、3日)に28年連続28回目の出場を果たす山梨学院大が12日、練習を公開。松山雄太朗主将(4年)が、今夏にあった衝撃の事実を明かした。

 9月上旬の第3次合宿。不調が続く松山に、日本人エースで副主将の井上大仁(3年)が思いの丈をぶつけた。「キャプテンとしてどうなんですか?

 しっかりしてください」。夕食後のひと言に松山の目が覚めた。「少しでも自分のことを思ってくれる、こんな後輩がいて自分は幸せ者」。

 奮起した主将の姿に、チームも活性化された。10月の予選会を2位通過、11月の全日本は5位。「先輩は苦しんでいた。でもチーム全体が上がらないと箱根は勝負できない」と話す井上も、全日本2区区間賞で結果を出した。

 今季のチームを上田誠仁監督(54)は「単体の素材じゃ勝負できないが、寄せ鍋ほどあっさりでなく、程よくこってりしている豆乳鍋」と表す。前回、50秒差でシード権を逃し悔し涙でぬれたタスキを、そのまま使う。エースの直言で再生された個性派軍団が、今回こそ大手町で笑う。【渡辺佳彦】