<第90回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間108キロ)

 悔しさを残し、最後の箱根を走り終えた。山登りの5区で日体大の服部翔大主将(4年)は1時間19分17秒と東洋大の設楽啓の区間賞に1秒届かず、2年連続の区間賞を逃す。チームも東洋大から6分32秒差の4位と、2年連続の往路優勝はならず、総合連覇も厳しくなった。

 昨年の「山の神」として見せ場は作った。7位でタスキを受け取ると、4位まで順位を上げ、沿道を盛り上げる。ただ理想の走りには遠かった。2週間前に左足首を捻挫。この日も足の甲が痛み、レース中には足の付け根、太ももを何度もさすった。1秒足りなかった区間賞に「悔しいなあ。ちくしょう」と感情をあらわにした。

 昨年、3年生の主将としてチームを総合優勝に導いた。最高学年の主将として連覇を目標に掲げたが、10月出雲は7位、全日本は3位。全日本後は選手同士で話し合い、スローガンを「負けない駅伝」から「勝ちに行く駅伝」に変更。だからこそ「積極性に欠けて、じっくり行きすぎた」と、攻めるレースができなかったことを悔やんだ。

 この日は各校のエースが集結した1区で、山中(2年)が区間賞を獲得した。「1区で流れを作り服部先輩につなげたかった」と山中。主将として罵声を浴びせることもあっただけに、後輩の成長はうれしい。「復路も焦らず行けば、結果はついてくる」。チームメートを信じ、結果を待つ。【田口潤】