全日本実業団対抗女子駅伝は12月13日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロで行われる。天満屋は予選会4位から上位をうかがう。

 マラソンの重友梨佐(28)、1万メートルの小原怜(25)と2人の北京世界陸上代表を擁する天満屋。5年前に優勝している名門だが、前回は16位で連続入賞が「13」で途切れてしまった。主将でもある重友は「チームは3位を目指している。私もそこに向けて頑張りたい」と意気込む。重友は1人で走ってもスピードが維持できるタイプで、駅伝なら後半区間向き。岐阜で行われたラスト大会で逆転優勝の立役者となった2010年、宮城開催初年の11年、そして12年と長距離区間で3年連続の区間賞を獲得した。それに対して小原は1500メートルのスピードもあり、競り合うシーンの多い3区向き。武冨豊総監督も「能力は本当に高い」と認める。

 3区(10・9キロ)に小原、5区(10・0キロ)に重友とエース2人を距離の長い区間に配置することが理想だが、予選会は前半勝負で1区小原、3区重友で臨まざるを得なかった。理想のオーダーを組むには1区候補の翁田あかり(21)の再起が必要になる。前回の16位は、1区の翁田が転倒して区間26位と出遅れたもの。翁田1人の責任ではないが、身体的にも精神的にも尾を引いた。10月の予選会も、直前に不安を抱えて出場を見送った。翁田は「駅伝の失敗は駅伝でしか返せません。予選を欠場してチーム内の自分の役割も痛感しました。責任感をもって走りたい」と本番での再帰を誓う。チーム3番手選手の奮起が、天満屋の3位以内復帰のカギを握る。