全日本実業団対抗女子駅伝は12月13日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロで行われる。予選会トップ通過のユニバーサルエンターテインメントは鷲見梓沙(19)和久夢来(みらい=20)の若き2本柱で3年ぶりのV奪回に挑戦する。

 鷲見の急成長が今季の原動力だ。愛知・豊川高時代から駅伝区間賞の常連で実力は折り紙付きだったが、入社1年目での5000メートル世界陸上代表入りは周囲の予想を超えていた。今大会の予選会は3区で区間4位。負けた相手は鈴木亜由子(24=JP日本郵政グループ)や福士加代子(33=ワコール)ら日本を代表する選手たち。鷲見はトップをキープして1位通過に貢献したが、レース後には涙すら見せた。「区間賞を取りたかったんです。クイーンズ駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝)では全力で走って、区間賞で優勝に貢献したい」と雪辱を誓っている。

 2年目の和久は予選会の5区で区間賞。区間2位に34秒の大差をつけて優勝を決定づけた。練習では「つねに全力です。明日のこととかは考えません」と積極的に取り組む選手で、鷲見とは競り合い、刺激し合う存在だ。

 上位候補チームはどこも前半区間に代表クラスを投入して先行逃げ切りを計るが、ユニバーサルは本大会でも和久を5区に起用する見込みで、勝負が後半に持ち込まれた時には和久の走りが勝敗に大きな影響を与えそうだ。

 前記の2人だけでなく他にも実力者がそろうのがユニバーサルの強みだ。目下、絶好調の木村友香(21)は予選会2区で区間賞を獲得しトップに立つ快走を見せた。アンカーの6区候補は今季5000メートルで国体5位の中村萌乃(25)かベテランの那須川瑞穂(36)。永尾薫(26)は1区候補だが、アンカーの可能性もある。那須川と永尾はマラソンでリオ五輪の代表争いを視野に入れる実力者だ。

 指導を委託されている佐倉アスリート倶楽部の小出義雄代表は「今年の勝負は後半にもつれる」と予測する。アンカーの人材は自チームが一番だという自信の裏返しだろう。小出代表のもくろみ通りならユニバーサルエンターテインメントが優勝に急浮上するはずだ。