早大はピンチを乗り越え、総合4位に入った。6区は前回大会で区間記録を作った三浦(4年)がエントリーしていたが、前日練習で足を痛めた。「予想外の出来事」(相楽監督)という緊急事態に、指揮官は佐藤淳(3年)を抜てきした。8区か10区の控えだった佐藤は、下りの練習はおろかコースも見ていない。この日の朝まで三浦にベタ付きし、コースの特徴などを聞いての“一夜漬け”。

 佐藤は「フォームの向き不向きはもう変えられない」と割り切り、「下り坂より平たんになるラスト3キロが勝負」という三浦の言葉を胸に挑んだ。結果は1時間0分23秒で区間6位という好走だった。たすきリレーを果たした佐藤は「びびりまくってました。最後までいけるかなって。やっぱり三浦はすごい」と、安堵(あんど)の表情だった。