山形中央の青野朱李(しゅり=2年)が学校対抗優勝を含め、女子では史上初の大会5冠を達成した。17日の100メートルと400メートルリレーに続き、この日200メートルと1600メートルリレーを制覇。200メートルでは5位入賞の1歳年下の妹心音(ここね=1年)との全国姉妹出場も決め、“短距離4冠”でチーム初の学校対抗優勝に導いた。

 山形中央の青野朱が各種目予選を含め、本大会出場10レース目を1600メートルリレーのアンカーで締めた。第3走者の妹心音からトップでバトンを受け取り、そのまま快走。400メートルリレーと合わせて史上4校目の女子リレー2種目制覇を成し遂げた。青野朱は「3人がいい順位でつないでくれたので、そのまま逃げ切るだけだった」と前走者の1年生3人をたたえた。

 200メートル準決勝では1組前の山田美来(岩手・盛岡誠桜3年)が24秒51の大会タイ記録をマーク。決勝でも最終コーナー立ち上がりまで5メートル以上後れを取ったが、持ち味の後半勝負に持ち込み、追い風参考ながら24秒38で逆転優勝した。学校対抗を含め、短距離2種目とリレー2種目の5冠達成は88年、男子の奥山義行(日大山形)以来29年ぶり2人目の快挙だ。青野朱は「インターハイは予選からハイレベルだと思うのでもっと体力をつけていきたい」と地元開催になる全国大会に挑む。

 姉妹そろっての全国アベック出場も決めた。リレー2種目出場の心音も学校対抗と合わせて3冠を獲得。姉と一緒に走った200メートル決勝は5位に入り、個人でも昨夏の中学選手権に続く全国切符を獲得した。1600メートルリレーは3番目でバトンを受け、「お姉ちゃんに1番で渡せば勝てると思った」とトップを奪って姉の5冠達成をアシストした。コーナリングが得意で、400メートルリレーでは逆に第2走者の姉からタスキを受ける心音は「ずっと目標にしています。一番近くにいて尊敬できて刺激になります」。バトン同様、心をつなぎ合う2人は、強い絆で全国舞台に立つ。【佐々木雄高】