全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は18年1月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間(100キロ)で行われる。

 3年連続入賞しているDeNAは、今年も東日本予選3位で本大会への出場を決めた。16年大会、17年大会と2年連続で3区でトップに立つなど底力を持つチーム。プロ野球のDeNAベイスターズ同様、駅伝でも旋風を巻き起こす。

 一昨年は上野裕一郎(32)が3区で区間賞の快走を見せてトップに立った。前回は2区でビダン・カロキ(27)が区間賞で3位に上がると、3区の上野がトップに立ち、4区終了時点まで先頭を走り続けた。

 ケニア、エチオピア選手が大挙出場する2区でも、カロキの力は絶大だ。1万メートルでは12年以降の五輪&世界陸上5大会連続入賞中で、今年8月のロンドン世界陸上は4位とメダルに迫った。

 今季は4月のロンドンで初マラソンに挑戦し、2時間7分41秒で3位。12月の福岡国際でも36キロまで優勝争いを繰り広げて、2時間8分44秒で4位となった。東京五輪ではマラソンのケニア代表も狙える。

 福岡国際から1カ月後の駅伝となるが「あと2回、(負荷の大きい)ポイント練習をやれば区間賞が取れます」と、チームスタッフに話したという。

 気になるのは上野の起用区間。東日本予選をかかとのケガで欠場したが、例年同様3区起用なら状態は回復したと判断できる。1区でもハイペースにならない限り、大差をつけられることはなく、2区のカロキがトップを狙える位置でつなぐだろう。

 4区候補の室塚健太(31)への期待も大きい。東日本予選の最長区間2区で区間賞を獲得。練習を追い込んでケガをして、前回のニューイヤー駅伝は出場できず、今季も夏までレースに出られなかった。しかし「コンディションを良くすることを主眼にした練習」(国近友昭監督)をすることで、11月から好調を維持している。高橋優太(30)は好不調の差が出てしまうこともあるが、状態が良ければ1区もしくは3区のスピード区間で区間上位を期待できる。

 国近監督は「駅伝は流れが重要。前半で良い流れに持ち込めれば、上位候補を1つでも食っていって、3位以内を狙いたい」と意欲的だ。

 プロ野球ではベイスターズが、シーズン3位からセリーグCS制覇を果たし、日本シリーズでも善戦した。「社内スポーツの存在価値が上がり、選手のモチベーションも上がっている」と国近監督。DeNAは上州路でも何かをやりそうなチームだ。