陸上の男子20キロ競歩世界記録保持者・鈴木雄介(30=富士通)が17日、千葉市内で、東日本実業団選手権(19日・熊谷)の男子5000メートル競歩に向けて会見した。

 15年世界選手権以来、2年9カ月ぶりの実戦復帰となる鈴木は「まずはしっかりと歩ききることを目標に、楽しんでレースができるように頑張りたい。ワクワクする気持ちが強い」と抱負を述べた。恥骨の痛みは完治はしていないが、「ある程度の競歩選手が練習と呼べるレベルまではできるようになってきた」と話す。

 ただ、どのぐらいの記録で歩けるかは未知数。同大会は男女同時スタートだけに「もしかすると女子に負けるかもしれない不安も少しある。でも女子には負けたくないという気持ちを持って歩きたい」と語った。 実戦復帰したが、完全復活とは捉えていない。状態はまだ「50%」という。「日本代表になる時、目指せる時が本当の復帰と思う」と覚悟をにじませた。過去には20年東京オリンピックに50キロでの挑戦も視野に入れていたが、今後は20キロに絞って目指す。けがに苦しみ、引退が頭をよぎったこともあった。歩ける喜びを人一倍感じ、競技に打ち込んでいく。