全日本実業団対抗女子駅伝は25日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間(42・195キロ)で行われる。前回2位のダイハツはパナソニック、JP日本郵政グループとともに3強を形成し、悲願の初優勝に挑む。

90年代から「ダイハツといえばマラソン」だった。五輪には小鴨由水(バルセロナ)浅利純子(アトランタ)木崎良子(ロンドン)が出場。世界陸上にも浅利(93年、99年)中里麗美(11年)木崎(13年)前田彩里(15年)を送り込んだ。

現在のエース松田瑞生(23)も初マラソンだった今年1月の大阪国際女子で優勝。9月のベルリンでも2時間22分23秒の今季日本最高をマークした。松田の武器はスピードで、1万メートルでも日本選手権を連覇している。前回の全日本実業団駅伝は3区(10・9キロ)で区間6位だったが、林清司監督は「去年よりは絶対に走りますよ」と太鼓判を押す。

15年の世界陸上マラソン代表だった前田(27)は、その後手術までする故障でブランクがあった。しかしようやく昨年復帰し、クイーンズ駅伝5区で区間賞を獲得した。その後、今年3月の名古屋ウィメンズ、8月の北海道の両マラソンでMGC資格を狙ったが、いずれも逃した。「去年は10キロまでの力しか戻っていなかった」と林監督。「この1年間で30キロ以降も上げていける能力を修正しました。駅伝で走れればマラソンも期待できる」と大きな期待をかける。

2枚看板以外では、2年目の大森菜月(24)の成長が駅伝の勝敗を左右しそうだ。大森は「(他の選手とは)スピードが違う」と林監督が高く評価するランナー。9月の全日本実業団陸上までは調子が上がらなかったが、その後の練習で状態が上がってきた。「大森を1区に起用できれば、前回1区の吉本(ひかり=28、11年世界陸上1万メートル出場)でアンカー勝負ができる」とプランを描く。

過去に幾多の名選手が輩出したダイハツも、全日本実業団駅伝は14年と前回の2位が最高順位。今大会は“マラソンのダイハツ”が、駅伝でも頂点を狙う戦力が整った。