東海大が出場46回目にして悲願の初優勝を飾った。往路2位から8区で東洋大を逆転。新記録となる10時間52分9秒で平成最後の箱根路を駆け抜けた。

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東海大の勝因は、全員がミスなく走ったこと。区間賞は8区の小松1人だけだけど、みんなが高いレベルで走った。もちろん小松は良かったけれど、10人の勝利。区間賞4人の青学大はミスが2区間続いたのとは対照的だった。これが駅伝だよ。この結果は、誰も予想できなかったと思う。

初優勝だから。選手はもちろん、悔しい思いをしてきたOBたちも喜ぶはずだよ。両角監督もうれしいだろうね。高校(長野・佐久長聖)に続いて大学でも優勝した。指導者だけではなく、教育者としても優秀。選手は走りだけでなく、人間的にも成長している。山下くん(泰裕副学長)に電話したら、すごく喜んでいたよ。両角監督を誘ったのは彼だからね。大学としても、大きな優勝だね。

連覇を続けてきた青学大は素晴らしいけれど、強化の立場で言えば東海大の優勝はうれしい。「1強」でなく、多くの大学が競い合うことが全体のレベルを上げる。個人でも東洋大の西山、相沢、順大の塩尻らが将来につながる走りをしてくれた。早大の中谷、明大の阿部も楽しみだ。彼らは箱根の先を見ながら箱根を走っている。箱根の先にある世界へ、多くのランナーが育ってほしいと思う。(日刊スポーツ評論家)