男子走り幅跳びで8メートル40の日本新記録を樹立した城山正太郎(24=ゼンリン)が、秋の世界選手権(ドーハ)で同種目日本人初となる入賞を目標に掲げた。

「ナイトゲームズ・イン福井」での世界大会の金メダル級となる衝撃的ジャンプから一夜明けた18日、福井市内のホテルで「こういう記録を出してしまった以上、入賞はしないといけないのかなという気持ちになった」と話した。一晩が明けて「実感も湧いてきた」という。もともと世界選手権は「出られたらいいな」という認識だったが、自己ベストを一気に39センチ更新し、目標も上方修正となった。

世界選手権の同種目で日本勢の最高成績は、97年アテネ大会の森長正樹氏の9位。大会前まで27年間も破られていなかった森長氏の記録を、城山は15センチも上回った。次は記録だけでなく、最高成績の更新を目指す。「最初の3本で、8メートル台を跳べる準備をしないといけない。世界の舞台となると余裕がないと厳しくなる。1本目から、昨日の3本目のような跳躍ができるようにしていきたい。コンスタントに8メートル20、30ぐらいは跳べないと戦えない」と語った。

世界選手権で入賞を果たせれば、その先にある、もっと大きな夢も見えてくる。「あまり考えない方がいいかもしれないですけど」と少し白い歯を見せながら、「メダルという目標を持つのがいいのかもしれない」。淡々とした口調は変わらない。ただ見据える所は一晩で、急激に高くなった。