26年ぶりに出場した筑波大のタスキが最終10区へのリレーで、ついに途切れた。9区、医学生の川瀬宙夢(ひろむ=5年)が渾身(こんしん)の走りを見せたが、届かなかった。

8区から9区へのリレーでは残り57秒で何とか黄色いタスキを渡し、綱渡りで伝統をつないでいた。

今年100周年を迎えた箱根駅伝。その第1回大会に東京高師として出場した。総合優勝は東京高師、2位明大、3位早大、4位慶大の4校を「オリジナル4」と呼ぶ。その伝統ある筑波大が26年ぶりに箱根路に戻り、大会前から注目を集めていた。

中でも医学生として病院実習をやりながら、文武両道を行く川瀬は視線を集めた。現在は、朝8時ぐらいに病院に行き、夕方5時~6時半ぐらいまでかかる。練習は早朝と夜。将来は整形外科医になり、愛するスポーツ界に恩返ししたい思いがある。

前日の往路後、弘山勉監督は「この舞台に復活できたことに満足せず、シード権を目指すと言ってきた。終わってみれば16分差の19位。実力が足りない」と認めつつ「まだ半分ある。ここで敗戦の弁を述べても仕方ないので明日に向けて気合を注入したい。たすきだけは何としても死守しないと。一致団結して喜べるように頑張りたい」と話していた。しかし、川瀬の激走も及ばなかった。

日大、日体大も10区で繰り上げスタートとなった。