陸上男子やり投げの横堀雅孝(22=新潟アルビレックスランニングクラブ)は、全国高校総体(インターハイ)の重みを知っている。田辺高(和歌山)3年時の2015年、地元開催のインターハイに向け練習を積み重ね、5位に入った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、夏の晴れ舞台が中止になった高校3年生に心を痛めながらも、前を向くことを説いた。

  ◇   ◇   ◇  

高校時代は何かで「1番」になりたいと思って練習してきた。最初は学校で一番、練習しようと…。次は地区、県。全国で一番練習したら、優勝出来るんとちゃうかなと、目標を持ってやってきた。インターハイが中止になって1つの目標がなくなった高校生は1日1日やれることを、1番になるくらい全力で積み重ねていくしかないと思う。

今、1カ月以上、やりを投げていない。トレーニングは限られた。(緊急事態宣言期間中は)近くの橋の下のコンクリートに向かってメディシンボール(2、3キロ)を投げたり、公園でチューブトレーニングをしていた。自分のブログ(横堀雅孝のやり投トレーニングブログ)に、公園で出来る(やり投げ限定の)チューブトレーニングを公開もした。今の環境で、どんな練習をしていいのか分からない高校生のために自分の練習法を紹介している。高校生も前を向いて練習してほしい。

高校3年の時は地元インターハイに向けて強い気持ちで練習してきた。その大会が中止になるつらさは、想像を超える。ただ、実際には高校のあとにも大学、社会人という舞台がある。インターハイ以外の目標を早く見つけてくれたら、と思う。(新潟アルビレックスランニングクラブ 横堀雅孝)

◆横堀雅孝(よこぼり・まさたか)1997年(平9)9月25日生まれ、和歌山県出身。田辺高-大阪教育大。田辺中3年でジャベリックスロー(やり投げの前段階の種目)を始め、10月のジュニア五輪で全国大会初出場3位。小学校の6年間は軟式野球に取り組み、強肩の三塁手。昨年の関西学生陸上(2部)で自己記録の75メートル05をマークして優勝。同年の日本選手権6位。184センチ、103キロ。