大会最終日に大記録が生まれた。女子ハンマー投げで弘前実(青森)村上来花(2年)が、2日の日本選手権(新潟)でマークした自身が持つ高校日本記録の59メートル51を塗り替える61メートル02を記録。高校女子初となる60メートルの壁を破った。

初出場の日本選手権では5位入賞を果たし、翌3日に新潟から北上市に入る強行軍だった。疲労も残り、周囲の重圧がかかる中でも、村上は最高のパフォーマンスを見せた。2投目に55メートル54を出して首位に躍り出ると、3投目は58メートル98と記録を伸ばして迎えた4投目。村上は「58メートルが出た時にもっと勢いよくいけると思った。自分の体とハンマーがハマって投げられて、飛んでいったハンマーの姿もきれいで、これは行った! と思った」。会心の一投で高校女子初となる60メートル台を記録し、「60メートルは自分の中でも未知だったし、自分でも感動しました」と笑顔だった。

会場に、高校日本記録のアナウンスが流れると、自然に拍手が沸き起こった。「見ている方が喜べる投げができて、すごくうれしい」と感無量の様子。今後は広島で開催される全国高校総体の代替大会に出場予定で「まだ自分の姿や投げを見ていない方もいる。広島の舞台で自分はこういう選手だというのを見せたい」。初の全国優勝を目指し、期待の逸材は成長を止めない。【相沢孔志】

◆村上来花(むらかみ・らいか)2004年(平16)1月13日生まれ、青森・弘前市出身。弘前一中1年時に陸上競技を始め、弘前実で本格的にハンマー投げを始める。昨年5月に県総体優勝。東北総体は3位で通過し、全国高校総体では11位。昨秋の東北高校新人では大会新記録と自身が持つ県記録を更新。8月に行われた青森市の記録会で当時の日本高校新記録を樹立。家族は両親、姉、兄、祖母。166センチ。