陸上男子100メートルの桐生祥秀(24=日本生命)が23日、オンラインイベントで長寿命の選手生活を掲げた。

短期的、長期的なものも含め、数多くの目標を持つが、その1つが今のレベルを「10年ぐらい」維持すること。「34、35(歳)。陸上選手の桐生祥秀として、そこまではやりたい」と話した。

イベントは総体が中止になった高校生らを支援する企画「高校陸上ウィズ・アスリーツ・プロジェクト」の締めくくりとなるもの。コロナ禍でアスリートの環境も変わった。その中で、次世代選手に必要な事を問われた桐生は「対応力ですね」と言った。「日本の中高生には、普通にグラウンドがあるというのが当たり前で、その環境がこのようなコロナ禍で無くなった時に、道でもいいから走るという対応ができる選手が伸びるかなと思います」。自身が長く活躍することと同時に、次世代の台頭も願う。

もっとも自身も、練習拠点ナショナルトレーニングセンターなどが封鎖された中でも、近所の道を走ったり、自宅にトレーニング機器を購入したりするなど、工夫を凝らしていた。10秒0台を4度出し、10月の日本選手権も6年ぶり2度目の制覇を果たした。何もかも、異例のシーズンで高いパフォーマンスを披露した。「(コロナ禍)はトップのアスリートもナショナルトレーニングセンターが使えなかった。しかし、道でも走る対応ができていたアスリートたちが結果を出していると思う」。説得力ある言葉で、締めくくった。