初の日本一をつかんだ佐藤友佳(28=ニコニコのり)が60メートル69で初優勝を飾り、その実力を証明した。

2位で迎えた最終6投目で今大会唯一の60メートル超え。ガッツポーズで喜びを表現し「『勝ちにこだわる』っていう目標で、今シーズン、日本選手権と共に今日も優勝できてうれしいです。6本目に懸けていました」と笑顔を見せた。

今季は新型コロナウイルスの影響で、拠点としている兵庫・尼崎市の競技場が使用できない時期があった。春は1~2カ月間やりを投げられず、久しぶりに競技場で練習すると、今度は左足土踏まず辺りの筋肉を痛めるなど反動とも戦った。そんな苦境に陥りながらも「家の中で過去の動画を見直して、研究できた。力を入れると角度が上に上がる。これまで腕で調整してきたけれど、足元やおなかまわりでコントロールする」と角度に対するヒントを得た。

1日の日本選手権初優勝に続いて頂点に立ち、今季の競技会を締めくくった。その表情は明るかった。

「流れとしては、良かったと思います」

1年延期となった東京五輪へ、弾みをつけた20年シーズンとなった。【松本航】